曲解説、第2弾です
「Deportee」
前回も書きましたが、歌詞は検索してみてください
YouTubeで検索すると
Arlo Guthrie、Bob Dylanをはじめ、Joan Baez、The Byrds
Judy Collins、The Kingston Trio、The Highwaymen
Bruce Springsteen、Dolly Parton と様々なアーティストが取り上げています
まずは以前に書いたこの記事
http://yagitako.blog66.fc2.com/blog-entry-7.html
このときの、Bob DylanとJoan Baezのアコースティックセットで
歌われた歌の中の1曲が「Deportee」です
やぎたこは、このときBob DylanとJoan Baezがやっていた
ボーカルマイク一本を挟んで歌うというスタイルが
どうしてもやりたくて始めたといってもいいかもしれません
もちろん、最初に取り組んだのもこの歌でした
この歌は、1948年にロスガトスキャニオンで起きた飛行機事故について
Woody Guthrieが詩を書き
数年後、Martin Hoffmanという教師が曲をつけたようです
1948年1月28日、米国移民局がチャーターした
不法滞在のメキシコ人労働者を強制退去させるための飛行機が
カリフォルニア州西部のロスガトスキャニオンで墜落しました
この事故で、28人のメキシコ人労働者と4人のアメリカ人が亡くなり
当時のカリフォルニア州では、最大の航空災害となりました
この事故について、アメリカの新聞・メディアは
アメリカ人の乗務員と警備員の名前だけを報道し
メキシコ人労働者の人たちについては
「Deportee」= 被追放者
つまり強制送還された、国外退去された人としか書いていません
ニューヨーク・タイムス記事(英文)
http://www.picacho.org/interest/dc3-new-york-times.html
第二次世界大戦により引き起こされた労働力不足を補うための政策で
1942年にメキシコとアメリカには一時的な契約労働に関する合意がありましたが
その解釈はゆがめられ、極めて不当な行為が数多くありました
それはメキシコからやってきた労働者を、働かせるだけ働かせ
収穫が終わったと同時に、まともな賃金も払わずに不法滞在の労働者として
メキシコへ強制送還するといったものです
それでも、合法不法を問わずアメリカへやってくるメキシコ人は多く
カリフォルニア州の一部の農園は、この労働搾取を続けて発展しました
名前もないまま死んでいったメキシコ人労働者たち
こういった搾取は昔の話ではなく
今の日本ですら、大企業、そして国によって行われています
たくさんの人たちに、今、届いてほしい歌です
曲について、間違った記述などあれば
ご指摘いただけるとありがたいです


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